2010年2月28日日曜日
インビクタス -負けざる者たち-
夫婦で映画を観る時、そのどちらかが五十歳以上だと
割引が受けられると知り、その恩恵に浴してきました。
クリント イーストウッド監督作品『INVICTUS』
(邦題『インビクタス -負けざる者たち-』)です。
来年、サッカーのワールドカップが予定されている南アフリカ共和国。
1995年にはラグビーのワールドカップが開催されました。その大会で
優勝した地元代表の「スプリングボクス」の主将、フランソワ ピナールと
黒人初の大統領、ネルソン マンデラの活躍と友情の物語です。
いや~、映画って、そしてラグビーって、本当にいいもんですねぇ。
涙ちょちょぎれました。砲弾が飛び交うわけでもなく、車がひっくり返る
こともなく、事件らしい事件も起こりません。でも、二人の内なる
ドラマに思いを馳せると感動を禁じ得ませんでした。
ラグビーを国内融和政策に利用したマンデラ大統領のしたたかさ、
と見る向きもありましょう。チームを激励に訪れる直前にメンバーの
顔と名前を覚えるところなど、あざといと思わなくもありませんでしたが、
白人に不信感を持つ黒人達に対して、根気強く寛容の心を説く
氏の信念、忍耐力、誠実さは素晴らしいと思いました。
ラグビーは、他の団体競技に増してキャプテンの存在が重要で
ありますが、そのことが脚本によく生かされています。
私が最初にぐっと来たシーンは、ほとんどが白人のスプリングボクスの
メンバーが黒人の子供たちにラグビーを教えに行く所でした。
蹴り上げたボールに向かって子供たちが夢中で駆け出します。
いやいや来ていた選手達もそれからは楽しそうにパス回しをしたり、
スクラムを組んだり、ラインアウトのリフトをしたりして子供らと
接していました。「ラグビーは少年を大人にし 大人を少年にする」
という言葉を思い出します。
競技場に国民融和の虹をかけるとマンデラ大統領は言いました。
私には高く蹴られたボールの描く軌道が虹に見えました。
選手は虹に向かって走っていると云うとセンチメンタルでしょうか。
旧暦〔睦月十五日 一月中雨水〕
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2月20日のMOVIXが千円の日に、朝ペドロ・アルモドバルの「抱擁のかけら」を観て、次は自主上映グループの「昭和84年」という映画をひと・まち交流館で観て、再び、MOVIXで「インビクタス」観ました。
返信削除映画はよかったのですが、スポーツを政治に使う、マンデラの強かさがなんともいえませんでした。これまで、南ア関連映画は「反アパルトヘイト」風の映画がほとんどでしたので、時代がかわったなあ、という感じがしました。
「ワールド・アパート」という'88年カンヌで主演女優賞を取った「反アパルトヘイト」を活動家の子供の視点から描いた映画はお薦めです。ビデオで観るたびに、涙がこみ上げてしまう作品です。
ガウチョ帰りのJKでした。
>JKさん
返信削除コメントありがとうございます。
「昭和84年」というのは平成21年ですね。
小生、昭和34年生まれで昨年50歳を迎え
ましたので計算し易いです.
つい、昭和も遠くなりにけりなどと簡単に
言ってしまいますが、よく考えないといけませんね。
「インビクタス」で描かれた時代から15年。
南アは治安の悪化、貧困、黒人の中での
貧富の格差拡大など、多くの深刻な問題を
抱えているとのこと。それを思うと映画の
観方も変わります。
Yさんからガウチョのマスターが
古稀だと聞いて驚いています。