2010年2月18日木曜日

松花堂に行きました。

松花堂。お弁当の名前?
前から一度訪れてみたかった城州男山八幡宮の
近くの「松花堂」に、ようやく行くことができました。


「松花堂」の草庵自体は三間四方の極小さな
建物ですが、周囲には縁(ゆかり)の茶室を再建してあり、
植栽や石などに趣向が凝らされて、立派な庭園です。

肝心の「松花堂」は残念ながら撮影禁止でしたが。

わずか二畳の部屋が、襖一枚の開閉により
仏間ともなり、茶室ともなる妙。感服いたしました。

松花堂の主、昭乗が煙草盆や絵具皿入れとして使っていた
田の字型の木製品を、料理の器として見立てたのが
吉兆主人の湯木貞一。

そもそも、その木製品というのは、近隣の農家で種籾を入れたり
するのに使われていた全くの実用品であったものを、昭乗が
茶の道具として用いたものである由。

400年の時を経て、さらにもう一段変化を遂げた訳です。
コース料理として順次提供される懐石を、一つの器に
盛り込むという発想。これは、たった二畳の空間を
住居ともし、仏間ともし、茶席ともするという、
松花堂昭乗の衣鉢を正しく継いだものかも知れません。

松花堂弁当という名は由緒のみならず、その精神の
体現としても正当であると申せましょうか。

旧暦〔睦月五日 一月節立春〕
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