「都の西と聞こえつる 嵯峨野の寺に参りつつ
四方の景色を眺むれば」
謡曲『百萬』の舞台であります、嵯峨釈迦堂こと
「五台山 清凉寺」へお参りに行ってきました。
山が近いからか、このところの冷え込みのせいか、
まだ桜が咲き残っていました。
石の仏さまに花のかざし。
なんだか、かわいい感じがします。
こちらが本堂です。「毘首羯摩(びしゅかつま)が作りし
赤栴檀(しゃくせんだん)の尊容」と謡われるお釈迦さまの
お像が安置されています。残念ながら堂内は撮影禁止。
さりながら、平日の夕方ではあり、雨降りではありで、
他に参拝客はおられず、間近でゆっくりと拝ませて頂きました。
本堂正面に掲げられた扁額。
「栴檀瑞像」と読めますが、正しいでしょうか。
境内の石碑です。「あみだ 母みた母みた」とあります。
こちらの大念仏会の折に唱えられる文句の言葉だそうです。
念仏中興の祖、円覚上人がこの地で説法をされた時、
大衆の中に生き別れの母親を見出して、思わず
「母見た 母見た」と叫ばれたのが起こりという言い伝えが
あるそうです。そのお母さんの名が「百萬」で、
円覚上人の幼名が「十萬」だという話もあるとか。
私は「般若波羅蜜多」の「はらみた」が転訛したのではと
思ったのですが、さて如何でしょうか。
旧暦〔弥生三日 三月節清明〕
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